1. 大学受験の第1志望合格率は7%

日本の大学受験は、「無理ゲー」とも言える過酷な戦いです。
多くの受験生が第1志望を目指し努力しても、合格率はわずか7%。
勉強するだけでは突破できない狭き門であることを示しています。
多くの学生はこの厳しい現実の前に受験で自信を無くした上で
次のステージに進むことを迫られています。
約9割の人とっては、「受験ゲーム」は「無理」の象徴となってしまう可能性が高いと言えます。
しかし、第一志望の合格は「無理」を無くしてくれるのでしょうか?
答えは否。
たしかに、「学歴」や「夢」への熱狂は「期待」を生みますが、現実の変化はそれほど大きくはないでしょう。
もちろん、年収の上昇などによって環境は良くなるでしょう。
しかし、学歴は全てを癒しません。経済的・社会的な成功が幸福のごく一部しか占めないことは、心理学の研究などで既に判明しています。
幸福な状態になるためには、さらに環境変化への適応や自己認識の改善など、戦略的な工夫が求められます。
2. AI技術で社会はどう変わるか

近年の劇的なAI技術の発展は、社会構造を変えます。
将来的に、人間が担ってきた多くの職業は、AIにより代替されるでしょう。
もちろん、過度に恐れる必要はありません。
- 農業
- 文字
- 蒸気
- 電気
などの人類史に残る発明とAI技術の普及が同じレベルかの判断は、慎重に検討するべきです。
しかし、近年発達してきた技術の中では、AIは圧倒的に社会構造を変える可能性が高い技術であることは間違いありません。
多くの人にとって、AIは恐怖の存在であり、AIが得意な定型的な業務をこなす作業は、この数年で大きく代替が進むはずです。
もちろん、受験の領域においても、この変化は見て見ぬふりはできません。
5年ほど前には、AIは読解力の問題から、東大合格は到底不可能とされていました。
しかし、蓋を開けてみると既に東大合格に近いレベルまで到達したと言われています。
難関校に合格するという観点だけで見れば、既に多くの学生はAI技術に追い越され、その発展の速度も私たちの想像をはるかに超えるものとなっています。
3. 社会に求められるのは
「写す人」ではなく「創る人」

これからの社会を発展させるために人間に求められるのは、AIができない「意味の創出」をすることです。
そして、既存のものを正確に再現する「写す人」ではなく、新しい価値を生み出す「創る人」が求められます。
アインシュタインやスティーブジョブズのように、独自の発想とビジョンを持ち、世界に新たな可能性を提示できるタレント人材が、ますます重要視されています。
最近の企業買収の事例を見ても、買われているのは事業内容だけでなく、その事業を設計した情報や、設計した人材そのものです。
「創る人」が持つ独自の視点と発想は、これからの社会における最大の価値となるのです。
4. 「創る人」が持つ力
では、「創る人」にはどのような力が求められるのでしょうか?
我々が考える「創る人」に求められる資質は以下の6つです。

- 挑戦的で現実的な目標設定
- 思い込みに囚われない柔軟な思考
- 止まらない知的好奇心
- 屈せずに挑戦を続けられる自己効力感
- 真の基礎知識や教養
- 幸福度を高める関係性構築
5. 創る人はコーチングで創られる

「創る人」としての個性は、生まれつきの才能だけによるものではありません。
それは、適切な指導やフィードバックを受けながら、自らの認知や可能性を広げ、磨き上げていくプロセスの中で形成されます。
その過程において、コーチングは極めて重要な役割を果たします。
コーチングは単なる教えではなく、自らを理解し、考え、選択し、行動するための視点や思考法を養うものです。
受験勉強のように単に知識を詰め込むのではなく、問いを立て、仮説を検証し、試行錯誤を繰り返すことで、自ら答えを導き出す力が育ちます。
「創る人」は、適切な環境とサポートがあってこそ生まれます。
自己の可能性を引き出し、世界に新たな価値を生み出す力を持つ人材を育てるために、コーチングの力を最大限に活用することが求められています。