英単語の多義語の覚え方。イメージで覚えて暗記量を圧縮する。

はじめに:ちゃんとやっているのに、なぜ多義語だけ抜けるのか

英単語帳を何周もしている。
単語テストもそれなりに取れている。

それなのに、長文になると

  • 単語は見たことはあるのに、意味がわからない
  • 文脈に合う意味を選べない
  • 知っているはずの単語なのに止まってしまう

特に run / take / get / hold のような多義語で、思考がフリーズする。

このとき、多くの受験生はこう考え始めます。
「自分は語彙センスがないのかもしれない」
「もっと意味を暗記しないといけないのかもしれない」。

ですが、ここで一度立ち止まってください。
それは能力の問題ではありません。
ほとんどの場合、覚え方(学習設計)が噛み合っていないことが問題の原因です。

この記事では、

  • なぜ多義語が覚えにくくなるのか
  • 何をやっている人ほどハマりやすいのか
  • 今日から変えられる、具体的な設計の直し方

を順番に整理していきます。


なぜ「意味を全部覚える」ほど混乱するのか

多くの人が無意識にやっているのが、次の覚え方です。

英単語 = 日本語訳を複数セットで暗記するもの

一見、真面目で正しそうに見えます。
ですが、多義語に関しては、このやり方が逆効果になりやすい。

理由は大きく3つあります。

意味が「横並び」で保存される

意味を箇条書きで覚えると、
脳内ではすべてが同列の情報になります。

その結果、文を読んだときに「どれを出せばいいか」判断できなくなります。

優先順位が無い影響で、脳が余計な処理をしてしまっているのです。

英語→日本語の直訳処理が重くなる

意味を日本語で大量に持つほど、
英語を見てから日本語に変換する負荷が増えます。

長文では、この処理が致命的に遅くなります。

受験で求められる力とズレる

入試で求められるのは、

  • 単語の意味を全部言えることではなく
  • 文脈の中で「この単語は何を指しているか」を掴むこと

ここが大きくズレてしまいがちです。


今鍛えている力と本来必要な力のギャップ

ここで一度、整理します。

観点今やりがちな学習受験で求められる力
記憶の形日本語訳の羅列中心イメージ
処理方向英語 → 日本語英語 → 状況理解
多義語理解意味を足す意味を分化させる
学習モデル母語的暗記外国語処理

多義語は、「意味が多い単語」ではありません。

一つのイメージが、文脈によって姿を変えている単語です。

それを無理やり日本語に合わせて、わざわざ複数の意味で覚える形に複雑にしてしまっているのが現状といえます。


まず「意味を覚える」のをやめる

対策としては、最初から意味を全部覚えようとしない。
これにつきます。

これは決してサボりではありません。
むしろ、人間の認知に合ったやり方です。

多義語は、

  1. 中心となるイメージを理解する
  2. 文の中で「どう使われているか」をイメージで想像する
  3. 必要に応じて意味を文章に落とし込む

という順番で理解した方が、圧倒的に安定します。


具体的なやり方

1語につき、まず1イメージだけ作る

例:run

  • 「走る」ではなく
  • 流れ続ける/途切れず進むイメージ

これだけでOKです。

1語にかける時間は10〜15秒

  • 発音する
  • 英語→日本語の翻訳だけやる
  • イメージを思い浮かべる
  • 日本語は1語まで

多く・長くやらないことが重要です。

多義語は「例文」で分化して覚える

意味一覧を覚える代わりに、

  • run a business
  • run out of time

など、文ごと理解します。
こうすることで、イメージを単語だけではなくよく出る形で覚えることができます。

到達水準は「説明できる」ではなく「引っかからない」

  • すぐ日本語が出なくてもOK
  • 文を読んで止まらなければ合格

完璧主義は、ここでは不要です。


よくある反論への回答

Q.「でも記述では日本語訳が必要では?」

A:もちろん必要ですが、優先順位が低いです。あくまでも順番の問題です。

最初にイメージ処理ができていないと、訳の精度も安定しません。

Q.「意味を覚えないと語彙が増えないのでは?」

A:覚えなくても増えます。
ただし、「意味の束」ではなく「使い分け」として受験や英会話に適応する形で増えます。


まとめ:多義語は、才能ではなく設計の問題

多義語が苦手なのは、あなたの努力が足りないからではありません。

  • 覚える順番
  • 情報の持たせ方
  • 処理モデル

これがズレていただけです。

意味を足す前に、イメージを作る。

今日からは、
「この単語の中心は何だろう?」
そう一度考えてから、単語に触れてみてください。

それだけで、長文での止まり方は、確実に変わります。