【サッカー好き必見!】サッカーで戦略や戦術を徹底理解し、受験や部活に活かす方法

サッカーにおいて、戦術は非常にわかりにくい分野となっています。しかし、戦略論からみると戦術は包囲と突破の2つだとされており、サッカーも漏れなくその2つで理解することができます。

本記事では、サッカーを通じて戦略的思考を学び、それを部活や学習に活かす方法を紹介します。
※この記事では、ポゼッションやカウンターといって何を言っているのかわかるレベルのサッカー知識が必要となります。あらかじめご了承ください。

戦略・戦術・戦闘とは?

戦略という言葉は皆さんどこかで聞いたことはあるかと思いますが、戦略は戦術と戦闘の上位に位置する概念を意味します。

戦略

戦略とは、競争優位を確立し、資源を適切に分配することです。

サッカーでは、チームの長期的な目標を決めて、その目標を達成するための実行プロセスが戦略となります。

戦術

戦術とは、戦略を実現するために試合中に具体的にどのようなプレーを行うかの計画です。

戦術には大きく、包囲と突破の2つがあります。

敵を城(ゴール)に押し込んだ上で、相手を壊滅させようとするのが包囲です。
プレミアリーグのマンチェスター・シティ(イングランド)のグアルディオラ監督が採用する戦術は包囲戦術です。

対して、敵を自陣に誘い込んだ上で、隙をついて城(ゴール)を奪おうとするのが突破です。
ラリーガのアトレティコマドリー(スペイン)のシメオネ監督が採用する戦術が突破戦術です。

戦闘

戦闘とは、試合の中で実際に繰り広げられるプレーのことです。

サッカーにおいては、以下の要素が関わります。

  • :個々のフィジカル能力やボールを扱う技術
  • 時間・空間:得失点を最大化するために、時間や空間を生み出す技術※次の章に詳細あり
  • 情報:相手のチーム戦術や対戦会場の情報など
  • 兵站(へいたん):チームの資金や運営体制
  • 統制:チーム全体を意図通りに動かすこと
  • 士気(目的・教義):チームの目標や理念

勝利条件と支配条件を発見して戦略(目標)を決める

勝利条件を発見する

サッカーの勝利条件は、「得点の最大化」と「失点の最小化」の両方を同時に実現することです。

  • ゴール前で時間と空間が無限であれば、誰でも得点できる。
  • ゴール前で時間と空間がなければ、誰でも無失点で守れる。

どれだけ初心者であっても、がら空きのゴールには得点を決めることができます。
また、ゴール前が鍵をかけたように強固であれば、初心者であっても無失点で守ることができます。
戦略とはゲームが始まる前からの準備も含めて、勝利条件を満たしていくことと言えます。

また、サッカーではポゼッションやカウンターなど、攻守を分断して考えることが多いです。
しかし、「攻撃は最大の防御」という言葉があるように、良い攻撃が良い守備を生み、逆もまた然りです。

支配条件を発見する

試合で有利に進めるためには、「相手を物理的・精神的に支配する」ことが重要です。
極端な表現をすれば、相手が攻める方向と逆向きの体勢で、今にも泣いて逃げ出しそうな状態にすれば、勝利の確率を最大限高めることができます。そういった状態に近づけていくことが、良く言われるゲームを支配することの正体といえるでしょう。

次に相手を押し込んでいく包囲と、相手の隙をつく突破をどう実現するのかを確認していきます。

相手をゴール前に押し込んで包囲する

相手を敵陣に押し込む

相手をゴール前に押し込む包囲戦術は、マンチェスターシティのグアルディオラ監督などが採用しています。

敵を相手陣に押し込むことで、何度も攻撃を繰り返すことができ、反対にカウンターを受ける可能性は極端に減ります。
サッカーはバスケットボールなどと違って、攻撃に制限はありません。
攻撃回数を増やして、守備回数を減らすことで、勝利の確率を高めることができます。

この際に重要なのは、以下の2点です。

  • 自分たちチームのメンバーが相手陣にいる
  • 相手を動かして、カウンターできない体勢にする

まず、自分たちのチームのメンバーが相手陣にいることが重要です。
そもそも、こういった敵陣に相手を押し込むサッカーが得意なのは、スペインのFCバルセロナです。
FCバルセロナには「同じ電車ではなく、同じ車両で進む」という格言があります。
バルセロナを体現する言葉の中で最もと言ってよいほど有名な言葉ですが、これは具体で表現すると自分たちチームのメンバーがボールと一緒に相手陣に入ることであるといえます。
ボールを奪った直後にすぐに急いで攻撃をしてしまうと、自チームのポジショニングが崩れてしまい、「相手に支配された」状態で攻撃しなければならなくなります。そうすると、相手に簡単にカウンターを許してしまいます。相手に支配されずに攻撃するためにはゆっくり攻撃(ビルドアップ)をすることが求められます。

また、相手を動かして、カウンターできない体勢にすることも重要です。
むやみに攻めてしまうと、相手の体勢が整い、自分たちの体勢が整っていない状態で攻めなければいけない瞬間が出てきてしまいます。
そうなると相手の思うつぼ、カウンターの餌食になってしまいます。
カウンターを防ぐためには、自陣からボールを運ぶ際から、相手が攻撃しにくい形での守備をさせることが有効です。

敵陣に追い込むことで、カウンターを防ぐことができる
ビエルサライン(ペナルティエリア付近)からシュートを放つ

ここまで、ボールを相手陣内に運び押し込むことについて解説してきました。
しかし、最終的にはシュートを放ち相手ゴールに決める必要があります。
これは選手の才能任せとなるものなのでしょうか?
たしかに、ある一定の才能は必要ですが、チームの攻め方次第で、その確率を高めることができます。

その際に重要な考え方がビエルサライン(ゾーン)です。
マルセロ・ビエルサは、アルゼンチン出身のサッカー監督です。
攻撃的なスタイルと徹底した戦術分析で知られ、リスクを取る積極的なプレースタイルを採用します。

その彼が考案したのがビエルサラインであり、それはエリアでゴールが決まりやすいかを集計したものです。
具体的には、図の線より内側のエリアで85%のゴールが生まれ、特に真ん中のエリアで50%のゴールが生まれるということがわかっています。この真ん中のエリアに時間と空間がある状態でボールを送ることができれば、その選手がゴールを決められる可能性は大きく高まります。

相手に無理な形で攻めさせて突破する

相手を誘いこんでの突破戦術は、アトレティコマドリーのグアルディオラ監督などが採用しています。

カウンター戦術はたしかに攻撃時間は減るかもしれません。
しかし、守備には相手の動きに関わらず、自分たちの動きを決められるところがあり、安定した成果を残しやすいです。
実際、そういった理由から西洋の戦略論では、守備を重視することが重要と主張するものが主流です。
また、相手チームは上述した包囲のような着実な攻撃をしてくるばかりではなく、無茶な突撃をしてくることも多いです。
そこでカウンターを行うことは非常に効果的といえます。

この際に重要なのは、以下の3点です。

  • 相手に無理な形で攻めさせる
  • 反撃しやすい形でボールを奪う
  • 選択肢を絞らせずにカウンターを完結する

第一に、相手を無理な形に攻めさせることが、守備の最大の目的です。
具体的には、サイドなど先ほどのビエルサラインから遠い場所に相手を追い込むようなプレスをかけることで、無理に攻めされることができます。無理に攻め込ませることがカウンターの第一歩です。

相手選手をサイドに追い込んでいる

第ニに、反撃しやすい形でボールを奪う必要があります。
いくら巧みな誘導でボールを奪えたとしても、自分たちの体勢が崩れてしまうと、相手のゴールを奪うようなカウンターを放つことはできません。
逆サイドの選手がカウンターをする準備をしながら守備を行い、奪った瞬間にそちらにボールを送ることが効果的です。

奪った直後、高い位置をとっていたXにパスを出してカウンターができる

第三に、選択肢を絞らせずにカウンターを完結することがあります。
カウンターをしているとゴールに向かって全員で攻めるのが良さそうなイメージがありますが、それはあまり良い動きとはいえません。
たしかに、ビエルサライン的に考えればゴール前が一番重要なエリアですが、全員がそこに向かうと勝利条件で重要と述べた時間・空間を奪ってしまうことになりかねません。
ボールを持っている選手は中央に向かって進んでいく形で問題ありませんが、他の選手は時間・空間を潰さないようにサイドに広がりながら攻めていくことが重要になります。
具体的には、ボールを持っている選手を追い越していく味方選手は、味方選手の外側に広がりながら攻めていくことで、相手にいくつかの守りの選択肢を与えることで、守りにくくすることができます。

外側に広がる動きが相手を引き付けて、時間と空間を生む

歴史で見ると戦術は4タイプであり4すくみ

このように包囲と突破が基本的な戦術であり、サッカーの歴史を振り返ると、包囲と突破に対してどう対策するかで発展してきたといっても過言ではありません。

サッカーの歴史において、戦術は大きく4つのタイプに分類されます。

  1. ゾーンディフェンス型:エリアを守る戦術
  2. ポジショナル型:選手の配置を重視する戦術
  3. ハイプレス型:前線から積極的にプレスをかける戦術
  4. 疑似カウンター型:相手の攻撃を利用してカウンターを狙う戦術

ゾーンディフェンス型

イタリアのセリエA黄金時代のACミランで監督を務めた、アーリゴ・サッキが体系化したのがゾーンディフェンスです。
まさに突破戦術の部分で説明したものが、このゾーンディフェンス型にあたります。

サッキが監督になった頃のサッカーは今ほど組織的なものではなく、どちらかというと日本の中世の闘い方のような個と個のぶつかり合いでした。そんな中、サッキ監督はバスケットボールの戦術からゾーンディフェンスを輸入しました。

ゾーンディフェンスを活用することで、1対1に近かったサッカーを1対11と言っても良いような状態にすることで、サッカー界に大きな旋風を巻き起こしたのです。

ポジショナル型

そんなゾーンディフェンス型を崩すためにうまれたのが、ポジショナル型です。
まさに、包囲戦術の部分で説明したのが、このポジショナル型にあたります。

ポジショナル型の戦術は、自分たちの体勢を維持しながら相手を自陣に追い込み支配していくような戦術で、全盛期のACミランなどのゾーンディフェンス型に対抗する形で発展しました。

将棋のような形で序盤から隙を与えずにゆっくり攻撃をしかけていくことで、堅牢なゾーンディフェンスも1人ずつ剝がしていくことに成功したのです。

ハイプレス型

このポジショナル型を崩すためにうまれたのが、ハイプレス型です。

ポジショナル型の攻撃を受けた際に、自陣で待ち構えるのはもはや手遅れになってしまうことが多くなってしまいました。
そうなるとポジショナル型の攻撃を受けるチームに求められるのは、自陣に押し込まれる前に相手からボールを奪うことです。

ハイプレス型のチームは相手陣地まで積極的にボールをとりにいき、ボールを奪った瞬間にすぐにゴールに向かうことができるようになりました。

クロップ監督時代のリバプールなどはまさにこのハイプレス型に該当します。

疑似カウンター型

ハイプレス型に対抗するために誕生したのが、疑似カウンター型です。

疑似カウンター型では、相手がハイプレスでボールをとりにくることを利用します。
具体的には、自陣でボールを回すことで相手のハイプレスを誘発します。
そして、相手が無理に「守りに来た」ことでバランスが崩れた瞬間にカウンターを発動します。

三苫薫選手がいたデゼルビ監督時代のブライトンなどがまさにこの疑似カウンター型に該当します。

4つの戦術タイプは4すくみ

最後に述べた疑似カウンター型は、相手が無理に守りに来ないと強みを発揮することができません。
そのため、自陣で相手が無理に攻めてくるのを待つゾーンディフェンス型とは、非常に相性が悪いです。

このように、包囲・突破戦術を中心としてサッカーの戦術は発展してきましたが、どの戦術も相性の悪い戦術があります。
そして、じゃんけんが3すくみであるように、サッカーの戦術は4すくみとなっています。

選手とチームそれぞれに必要な戦闘要素

いかに上記のような包囲と突破の戦術を行うための具体的な戦闘要素と記載します。

チームに必要な戦闘要素

  • :メンタル・ボールを持っているときの技術・体力(心技体)
  • 時間・空間:オフザボールの動きで、時間と空間を作り出す技術
  • 情報:自分たちの戦術や作戦を実施するための情報統制
  • 兵站:資金や運営面などでチームを持続させること
  • 統制:コーチングやティーチングを活用して、チームを狙い通りに動かしていくこと
  • 士気(目的・教義):チームの目的や目標を設定して実現に向けて自信や行動を促していく

選手に必要なスキル

  • トラップ:相手を動かす観点で、足元にボールを止める動きとあえて止めない動きを使い分ける
  • ドリブル:相手を動かすようなドリブルor相手に向かうドリブル(正対)で相手を引き付けて味方に時間と空間を与える
  • パス:蹴る瞬間まで右と左のどちらに蹴るかわからないようなボールの蹴り方をする
  • シュート:コースと威力を意識してゴールキーパーがとりにくい場所にパスを出すようにシュートする
  • プレス:敵のパスコースを消しながらプレスをかけ、中央かサイドの意図した場所に相手を誘い込む
  • レシーブ:相手が空けた時間と空間が多いスペースを使うor味方のために時間と空間を作り出す
  • ゲームコントロール:ゆっくり攻めるときは敢えてボールをゆっくり回すようにする

受験や学校生活での活かし方

戦略・戦術的アプローチの活用

サッカーで培える戦略的思考は、馬鹿になりません。

部活だけではなく、学習や受験などの分野でも活用することができます。

戦略的な目標達成

戦略とはすなわち、目標を達成することです。

戦略に沿った形で目標を立てることが、部活動などでの成果に繋がりますが、これは受験でも同様です。
特に大きく7つのチェックポイントを満たす目標設定をすることが、目標達成率を大きく左右します。

戦略的な目標の具体的な立て方は以下の記事をご参考ください。

記事:目指せ目標未達からの卒業!効果的な目標設定で成果を上げる7つのコツ

プロジェクトマネジメント

目標を立てた後は、実際に受験や部活というプロジェクトを進行していく必要があります。

その際には、実際にPMBOKというビジネスの世界で用いられている知識体系を活用すると、効果的な目標運用を実現できます。

受験で勉強した科目の応用

受験で学ぶ知識も、戦略・戦術的アプローチに有効活用でき、勉強すればするほど戦略・戦術の幅を広げていくことができます。具体的には、以下の通りです。

  • 生物を学ぶことで、人体の構造や効率的なトレーニングの仕方を考えることができる
  • 数学を学ぶことで、問題解決の仕方がわかり、部活やクラスの関係性を良好にできる
  • 歴史を学ぶことで、なぜ今の状態にあるのかを冷静に分析することができる

まとめ

ここまで、サッカーを通して戦略・戦術・戦闘について解説してきました。サッカーには包囲と突破の2つの戦術が主にあります。また、勝利条件と支配条件を理解した上で、戦略(目標)を立てることが、目標達成においては非常に重要になってきます。

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